「お前、ちゃんと奥さん孝行してるか?」
ゴールデンウィークが近付きつつある4月下旬。今日は同期の浜岡に誘われて、半年ぶりの居酒屋に来ている。
かなり前から浜岡に誘われてはいたものの、オンコールで呼び出されたり、仕事が終わらなかったりで、なかなか都合がつかなかった。
結局自分が1日オフの日に出ることしか出来なくて真衣に相談したところ、快く承諾してくれて今に至る。
美味しい食事にお酒も進んできたころ、浜岡に問いかけられて、ふとこれまでの結婚生活を振り返ってみりる。
「奥さん孝行か……」
「その様子だと、してなさそうだな。お前、愛想尽かされるぞ」
「そんなもんなのか?」
「そりゃそうだろ」と言った浜岡は、レモンサワーを豪快に喉へ送った。
「俺はさ、この前嫁に温泉旅行をプレゼントしたよ」
「マジか」
「それくらいなんてことない。普段研究室の事務員としてハードな勤務で、それに加えて家事と育児。たまにはリフレッシュも必要だろ」
浜岡の溺愛っぷりは相変わらず。しかし、よく考えてみれば、俺は真衣に対してなにもしてあげれていないかもしれない。
真衣のことは変わらず愛している。
母親になっても俺の前だけでは〝女性として〟の顔を見せてくれる彼女のことが、毎日愛おしい。
ゴールデンウィークが近付きつつある4月下旬。今日は同期の浜岡に誘われて、半年ぶりの居酒屋に来ている。
かなり前から浜岡に誘われてはいたものの、オンコールで呼び出されたり、仕事が終わらなかったりで、なかなか都合がつかなかった。
結局自分が1日オフの日に出ることしか出来なくて真衣に相談したところ、快く承諾してくれて今に至る。
美味しい食事にお酒も進んできたころ、浜岡に問いかけられて、ふとこれまでの結婚生活を振り返ってみりる。
「奥さん孝行か……」
「その様子だと、してなさそうだな。お前、愛想尽かされるぞ」
「そんなもんなのか?」
「そりゃそうだろ」と言った浜岡は、レモンサワーを豪快に喉へ送った。
「俺はさ、この前嫁に温泉旅行をプレゼントしたよ」
「マジか」
「それくらいなんてことない。普段研究室の事務員としてハードな勤務で、それに加えて家事と育児。たまにはリフレッシュも必要だろ」
浜岡の溺愛っぷりは相変わらず。しかし、よく考えてみれば、俺は真衣に対してなにもしてあげれていないかもしれない。
真衣のことは変わらず愛している。
母親になっても俺の前だけでは〝女性として〟の顔を見せてくれる彼女のことが、毎日愛おしい。