ぎゅっと私のことを抱きしめた翔くん。

あぁ……やっぱり私がバカだった。
翔くんにそんな風に言われたら、もうなにも言い返せない。

若い子でも他の子でもない。
翔くんは〝大澤真衣〟を、愛してくれているんだ。


「やっぱり、なにか言われただろ? 白状しろよ」
「え……まぁ、その。相道さんが……」

「あぁ。あいつ、本当厄介だよな。ちょっと優しくしただけで、俺が彼女を好きだと勘違いしてる」


「えっ!?」と、驚きの余り大きな声を出してしまった。まさか、翔くんにまで影響があったなんて。


「真衣、明日から結婚指輪して行かない? 俺も、オペ以外のときは結婚指輪付けるから」


思わぬ翔くんの提案が嬉しくて、頬が緩む。私だけが結婚指輪をするのではなくて、翔くんも同じようにしてくれるのが最高に嬉しい。

周りに気を遣わすのが悪いとか、指輪は見せびらかすものではないとか、余計なことを考える必要はなかったのかもしれない。


「真衣。俺の愛、見くびるなよ?」
「えっ、ちょっ……!?」

「俺がどれだけ真衣のことを愛してるか、今から身体に教え込んでやる」


私の返事も待たずしてそう行った翔くんは、再び私の唇を塞ぐ。

そしてその晩は夕食を摂ることも忘れて、何度も何度も翔くんと愛し合った。