ふと空を見上げると一際《ひときわ》輝く星を見つけた。



同時に中学校を卒業するかしないかで
亡くなった、幼馴染である三上《みかみ》
龍平《りゅうへい》を思い出した。



臆病だった私は淡い恋心を抱きながらも
告白はできず、一緒に居られた幸せが勝ってしまい関係は友達以上恋人未満。




この月の下にいる私と、月へ帰ったあいつ。



「……ふふっ、かぐや姫とは逆だなー。」

「何が……?」


落ち着きのある低くて腰にくるような
色気のある声とともに
逞しい腕にグイッと引き寄せられた。



「ん?なんでもないよ……?」



背後から抱きしめつつ肩に顔を埋めながら
私を見つめ。


「……龍平だろ?」