生まれ変わったらまた君と恋をしよう、
そう思っていたのに。



「ねぇ、待って……んっ…。」
「待たない。」


気が付けば、逃げようとすると抜け出せない
力強い腕の中にいて。


「 そろそろ、俺に、本気になってよ。」
「 へ……っ? 」


と間抜けな声が出てしまった。
力強く、心地よい
この声に落ち着いてしまっていた。


いつしかこの心地良さから
抜け出すことさえ拒んでいた。



「もっと、俺のことだけしか考えられねぇ
ように身体に教えてやるわ…。」



眩暈がするほど妖艶に、
小悪魔のように笑っていた、
そんな人だった。