時間もなにも書かれていないから、朝から出かけるしかなかったんだろう。

なにをしていても、どこにいても友梨奈からのメッセージが届けば優先しないといけない。

そんな強迫観念を植え付けているのかもしれない。

「こんなの行く必要ないよ。どうして学校がない日まで友梨奈に付き合わなきゃいけないの」

「そうだけど……でも……」
早希はスマホを握りしめて下唇を噛みしめる。

早希だって行きたくないに決まっている。
それを思い出して絵里香は「もしかして、他にもなにかあった?」と、聞いた。

早希は顔を上げてうなづく。
「家に電話がかかってきたの。詩乃からだった」

「家の番号を教えたの?」