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早希の家までは自転車で10分ほどの距離だ。
白い自転車を飛ばして行くと、ちょうど早希が家から出てきたところだった。

「早希!」
自転車を止めて声をかけると早希が驚いた顔を絵里香へ向けた。

「絵里香、どうしてここに?」
「なにかあったんじゃないかと思って、様子を見に来たの」

早希の顔色は良くない。
絵里香の顔を見た瞬間に、泣きそうな表情になった。

「また友梨奈から連絡が来た?」
そう聞くと早希は素直に頷いた。

そしてスマホ画面を見せてくる。
それは今朝7時30分ころに送られてきたメッセージだった。

《友梨奈さま:○○廃墟に来い》