購買は1階の廊下の奥にあった。

小さな購買にはちょっとした食べ物と、ノートや鉛筆などの筆記用具が揃っている。

パンはいつも長テーブルの上に並べられていて、一律150円で購入することができた。

まだ給食を食べ始めたばかりの時間のため、生徒の姿は少なかった。
それでも男子生徒が5人ほどパンを選んでいる。

給食だけでは足りないから、早めに好きなパンを購入しているんだろう。
「そうだ。パンの種類を聞いて置かなきゃ」

早希が途中で立ち止まり、思い出したように呟いた。

今朝はジュースの種類がわからずに怒られてしまったから、二度同じ失敗をしないようにしているのがわかった。

だけど、そこにあるのは恐怖心だった。
友梨奈の機嫌を損ねればどうなるかわからない。

だから同じ失敗はできない。