「とにかく、給食を食べようよ。友梨奈だってパンがなくても給食があるはずなんだから」

「そ、そうだよね」

購買で食べ物の販売はしているけれど、部活終わりだったり給食で足りなかった生徒が購入することがほとんどだ。

まだ給食を食べてもいないのにパンを購入する生徒はほとんどいない。

内心で燃え上がる怒りを抑え込みながら給食を準備し、友梨奈と席をくっつけて食べ始める。

今日のメニューは豆ごはんと卵スープと海鮮サラダだ。
どれもとても美味しそうで食欲が湧いてくる。

「さ、食べよう」
箸を手にしていただきますと口にした、そのときだった。

早希が真っ青になって動きを止めたことに気がついた。
「早希、どうかしたの?」

まさかまた体調が悪くなったんだろうかと心配したけれど、早希の視線は一点へ向けられている。