「悔しいよ。だけど友梨奈の力は本物。どんな病気を体に溜め込んでいて、それをいつ移動させられるかわからない!」

言いながら早希の顔はどんどん青ざめていく。

病院通いが長いからか、世の中にどれほど恐ろしい病気があるのか、よくわかっているんだろう。

絵里香は下唇を噛み締めて早希を見つめた。
友梨奈からは逃れられない。

それはいつまで?
卒業するまで?

それとも、その先もずっと?
きっと、高校生や社会人なれば友梨奈の命令はエスカレートしていくはずだ。

それをずっと耐えなきゃいけないんだろうか。
絵里香は青ざめて震えている早希の体を両手で強く抱きしめた。

「それなら、私も一緒に行く」
今できることは、これくらいしかなかった。