絵里香と早希が期待していた通りに連絡が来ることなく、次の朝になっていた。
「今日はどうしたの? なんだか元気がないみたいだけど」

朝のトーストを食べる気になれずに紅茶だけを飲んでる絵里香にお母さんが心配した様子で声をかけた。

新聞を読んでいたお父さんも顔をあげる。
「うん……ちょっとね」

説明しようにも、とうてい信じてもらえる内容じゃない。

それに絵里香自身に降り掛かってきている出来事でもないから、安易に相談することはできなかった。

「なにかあったなら、いつでも話を聞くからね」

そんな絵里香の心情を察したようにお母さんはそう言い、それ以上は追求して来なかったのだった。