「こんなことになるなら病気を治す女子生徒の噂なんて信じるんじゃなかった」
早希が頭を抱えてうめき声を上げる。

確かにそうだ。
都市伝説なんて曖昧なものにすがりついたから、こんなことになってしまった。

だけど、それ以外に早希が元気になる方法なんてあったのかな?
学校へ来てもすぐに早退して、何度も入院して、体育授業には出られなくて。

そんな毎日が続いていくだけだったんじゃないかな?
絵里香はそう考えて下唇を噛み締めた。

都市伝説でも、なんでも頼ってみたくなるような毎日だった。
大人だって神社とかで神頼みをしたりする。

それと同じことだったんじゃないのかな。
自分たちが悪いことをしてしまったとは、どうしても思えなかった。

友梨奈は弱い人間につけ込んで悪事を働いているだけだ。