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私達はとんでもない人を相手にしてしまったのかもしれない。

地面に倒れ込んだまま大きく深呼吸をしている早希を見て、絵里香は背筋に冷たい汗が流れていくのを感じた。

早希の白濁した目はすっかり元に戻っているし、呼吸も乱れてはいない。
それでもショックで起き上がることができずにいた。

「それじゃさっそくだけど、紹介してあげる」
早希がどうにか立ち上がったのを確認して、友梨奈が言った。

一体なにを紹介するというんだろう。
そう思っていると、校舎裏にある倉庫の陰からふたりの生徒が顔を出した。

1人は男子、もう1人は女子生徒だ。
ふたりとも2年生であることは、胸元のネクタイとリボンの色でわかった。

異変を感じたのはそのふたりの手には木刀が持たれていたことだった。
絵里香は咄嗟に数歩後ずさりをして距離をとった。