「助けてほしい?」
その質問は早希へ向けてされた。

まだパニック状態にある早希は呼吸の苦しさもあいまってその場でのたうち回っている。

返事なんてできるわけがない。
それでも友梨奈は静かに質問を繰り返す。

「ねぇ、助けてほしい?」
その声がどうにか届いたようで、早希が苦しみながら頷いた。

白濁した目からボロボロと涙が溢れ出している。
「それなら、治してあげる」

友梨奈が早希の手を両手で包み込む。
「その代わり……これからずっと、私の命令を聞き続けること」

友梨奈は早希の耳元でそう言い、早希から病を消し去ったのだった。