放課後の校舎裏は人気がなくてとてもさみしい。
小さな花壇に点々と花が咲いているけれど、それもこころなしか元気がなさそうに見える。

そんな花壇のブロックに友梨奈は座って待っていた。
ふたりが近づいていくと立ち上がり、スカートのほこりを手ではらう。

友梨奈はカアたてにチョコレートの箱を持っていて、すでにいくつか食べた後のようだ。「友梨奈ちゃんこんにちは。チョコレート気に入ってくれた?」

早希の問いかけに友梨奈が微笑む。

「有名なお店のチョコレートだよね。私のためにわざわざ買いに行ってくれてありがとう。すごく美味しいよ」

その言葉に早希と絵里香は目を見交わせて微笑んだ。
どうやら気に入ってもらえたみたいだ。

「友梨奈ちゃん、本当にありがとう。ここまで体が自由に動くことなんて今までなかったよ」