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それから放課後まではあっという間だった。
早希は沢山のクラスメートたちに囲まれて、体育での活躍を称賛された。

早希の噂を聞きつけたバスケ部の顧問が早希を見に来たくらいだ。
これは本当にバスケ部に入るかもしれない。

そうなるともっともっと早希の人生は輝くことだろう。
そうしてやってきた放課後に早希はどこか名残惜しそうな顔をしている。

「寂しそうな顔して、どうしたの?」
「1日の学校が終わることが寂しくて。もっとみんなと一緒にいたい」

早希がそんなことを言うなんて今まで1度もなかった。

みんなに次いていくことだけで精一杯で、学校を楽しむ余裕なんてなかったはずだ。