本当にちょっとだけ涙が浮かんできたのはつかの間のことで、バスケを始めた早希を見て絵里香は驚いてしまった。

早希はもともと体を動かすのが好きだということは知っていたけれど、想像以上に運動神経がいい。

相手チームからボールを奪うと、一目散にゴールへと向かう。
走る早希に誰も追いつくことができないのだ。

ほとんど体育に出席してこなかった早希の運動神経の良さに誰もが驚いた。
「すごいじゃん早希! こんなにバスケがうまいなんて知らなかったよ!」

試合が終わって絵里香はすぐに早希に駆け寄った。