確かに、それに比べれば数千円のチョコレートなんて安すぎる買い物だ。
これで早希に健康が訪れたんだから、言うことはなにもない。

「これを私の下駄箱に入れておくように言ってたよね?」
「うん、そうだね」

昨日のことを思い出しながらふたりで昇降口へ向かう。

この学校の下駄箱は木製の蓋付きのタイプになっているから、贈り物やラブレターを入れておくのに最適だ。

早希が自分の下駄箱の蓋を開けたとき、なにかに気がついたように眉を寄せた。
「どうしたの?」

「手紙が入ってた」