「そうだね。そんな風に見えるよ」
絵里香もそう納得せざるを得ない状態だ。

ここまで元気になるとは思っていなかった。
こうして肩を並べてふたりで学校へ向かうのだって、本当に久しぶりな気がする。

早希は登校途中に気分が悪くなってそのまま早退してしまったり、もともと母親に送り迎えを頼むことが多い。

「見てこのチョコレート」
学校の校門が見えてきたところで早希がカバンを開けて見せた。

中には有名店のチョコレートが綺麗にラッピングされて入っている。
「すごい高いチョコレートじゃないの? たしか一箱何千円もするよね?」

早希はコクコクと頷く。

「だけど病院代とか考えるとこれでも安いものだよ。入院なんてすると、あっという間に何十万円とかかるんだから!」