翌日学校までの通学路を歩いていると後ろから早希に声をかけられた。
「おはよう絵里香!」

そう言って小走りに駆け寄ってくるのを見て咄嗟に止めようとするけれど、早希は何事もなかったかのように笑顔で絵里香の隣をあるき出した。

少し息を切らしているけれど、その表情は全く苦しくなさそうだ。
むしろ顔色はいいくらいだ。

「本当に大丈夫なんだね?」
「見ての通りだよ! どれだけ走っても飛び跳ねても、全然平気なんだから!」

昨日の夜のうちに色々と動き回って試してみたのだろう、早希はその場で何度も飛び跳ねて見せた。

昨日までの早希を思い出すとまるで別人みたいだ。
驚いて口を半開きにしていると、早希に指を刺されて笑われてしまった。

「一応薬は持って来てるんだけどね、今日は必要なさそう」