「花咲友梨奈」
「え?」

「ネームにそう書いてあったよ」
早希はそう言って自分の左胸についているプラスチック製のネームを指差した。

そういえば、女子生徒も同じ中学なんだからネームをつけているんだっけ。
そんなことすっかり失念していた。

「不思議な力だけど、お陰で助かったよ。あの子お陰。お礼のチョコレートも高級品じゃなきゃね!」

早希はさっそくお礼の品を買いに行くと言って、スキップしながら絵里香と別れたのだった。