「早希、大丈夫?」
絵里香はすぐに真面目な表情になって早希の背中をさする。

早希はもともと体が弱くて、1年生の頃はもっぱら体育の授業を休んでいた。

本来は体を動かすのが好きな性格らしい早希は、それをいつも悔しがっていたから、絵里香もよく覚えていた。

「ごめん大丈夫だよ。とにかく、そういう子がいるんだって」
早希はどうにか最後まで話を終えて、青ざめた顔で笑ったのだった。