そして絵里香の横を指差した。
その先にいるのは早希だ。

早希は顔面蒼白になっていて、目の前に女子生徒が立っていることにも気がついていない様子だ。

「肺炎だね」
女子生徒が静かな声で言った。

絵里香はその言葉が信じられなくて女子生徒をまじまじと見つめた。

「なに?」
思わず強い口調で聞き返す。

こんなに調子が悪そうな先を目の前にして『肺炎だね』となんでもない様子で言ってのけたことが信じられない。

それに、今早希は咳き込んでいないのになぜ肺炎だと思ったのかも謎だった。
でもきっと、適当を言ったに違いない。