「永山さん、迎えに来てくれたのね」
先生が安心したように微笑む。

早希の顔色は少しだけよくなったみたいだ。
横になっていたのが良かったんだろう。

「ごめんね迎えに来てもらって」
「何いってんの」

絵里香は早希のカバンを持って二人並んで保健室を出た。
できるだけ早く迎えに来たけれど、廊下はすでに沢山の生徒たちで溢れている。

ふたりは昇降口へと向かう生徒の群れとは逆走してゆっくり歩いていく。
屋上まで階段続きだから、少し心配だった。

その階段も登りきったところで、絵里香がふと思い出したように足を止めた。
「どうしたの?」