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それから放課後まではとても長く感じられた。

教室の時計が止まっているんじゃないかと思って、何度も電池を確認したくらいだ。

「絵里香、早希は大丈夫なの?」
早希の後ろの席の子が心配そうに声をかけてくる。

「うん、大丈夫だよ」
絵里香はそう答えるので精一杯だった。

きっと大丈夫。
きっと元気になる。

そう信じてあげないといけないときだと思う。

そうしてようやく放課後になり、絵里香は自分のカバンを乱暴に掴んで教室から飛び出した。

1階まで駆け下りて保健室へと走る。

ノックもそこそこに保健室のドアを開けると早希がベッドから起きてきたところだった。