翌日2年B組に絵里香がついたときには早希はすでに自分の席に座っていた。
慌てて近づいていくと早希が笑顔で「おはよう」と言った。

だけど顔色は悪く、声も弱々しい。
少しでも大きな声を出したり、走ったりすると咳が止まらなくなるそうだ。

今は薬で抑えているけれど、放課後まで無理はできないことがわかった。
「放課後になれば女子生徒に会いに行くことができるから、それまで頑張って」

絵里香の言葉に早希は弱々しく頷いたのだった。

それからふたりは休憩時間になるたびに、あのSNSの書き込みを何度もチェックっした。幸いあの書き込み自体は絵里香のスマホからでも見ることができたのだ。

「本当に、放課後まで……待たないとダメなのかな」
早希が時折呼吸を挟みつつ言う。

本当なら今すぐ屋上へ向かいたいんだろう。
薬で落ち着いていると言っても、薬が切れてしまえば苦しむことになる。