そんな呟きに混ざって屋上という言葉が出てきた。
絵里香は椅子に座り直してその書き込みを目で追いかける。

『屋上には病気を治してくれる女子生徒がいる』
この呟きにだけ、沢山の人たちが反応している。

『僕の知り合いが病気を治してもらった』

『これは本当の噂。病気を持っている人は行ってみればいい。ただ、運が良くないと出会うことはできない』

そのどれもが早希が言っていたのと同じような内容だった。
ただひとつ新しい情報を見つけることができた。

『女子生徒は放課後の屋上にいる。だから、放課後行けば会える可能性は高くなる』
それは有力な情報かもしれない。

緊張からペロリと唇をなめたとき、後ろから「そろそろ1時間だぞ」と、お父さんに声をかけられた。

絵里香は咄嗟にSNSのユーザーネームをメモしてパソコンを閉じたのだった。