覚めた声で言ったのは友梨奈だ。
友梨奈はふたりをさげすむような視線を投げつける。

「こいつが病気を元に戻してほしいって言うから、つれてきた」
友梨奈が早希を指先して言うと、詩乃と直斗が残念そうに眉を下げた。

「そ、そんなの言うことをきいてやる必要なんてないですよ、友梨奈さま!」

詩乃が慌てた様子で言う。
だけど友梨奈は左右に首を振った。

「今までの人たちにも、病気を戻せと言われればそうしてきた。こいつらだけ例外にすると他の人たちからクレームが入る」

「そんな……」
詩乃が早希を睨みつけて、悔しそうに下唇を噛み締めた。

「もう少しで仲間に引き入れることができそうだったのに」