大声で何度も連呼しているうちに友梨奈は本当に神様じゃないかと思えてくる。
実際に、人間ではできないことをしている。

早希だって救われている。
そう思って頭がクラクラしはじめた。

一体正しいのは誰で、間違っているのは誰かのかわからなくなってくる。
次のチャイムは鳴り始めるまでそれは続いた。

チャイムが鳴ったタイミングで絵里香はハッと我に返ったように周囲を確認した。
ここは屋上で、目の前には詩乃と直斗がいる。

なにも変わっていない状況に絶望的な気分になった。
「1時間目が終わったよ。もう開放してよ」

疲れ切った声で言ったとき、ドアが開いた。
振り向くとそこには友梨奈が立っていた。

チャイムが鳴ったから、散歩から戻ってきたようだ。