「黙れ!」

どうにかふたりの目を覚まさせようとしてみても、友梨奈を否定するようなことを言うとすぐにふたりは木刀で地面を叩いた。

もしその刃先が自分へ向けられたらと思うと怖くてたまらない。

絵里香はすぐに震え上がってふたりに続いて「友梨奈さまは神様だ!」と連呼することになる。

それに続いてふたりは絵里香を否定しはじめた。
「お前にはなんの力もない。友人のひとりも救えない」

「でもそれは、みんな同じで……!」
「お前だけが特別にダメな人間だ。それを自覚しろ!」

これも反論すれば詩乃と直斗が木刀を地面に叩きつける。
ガンガンと音が鳴り響き、コンクリートに白い痕が残っていく。