本当に自分が友梨奈の餌食になってもいいと考えているみたいだ。
早希はゴクリと唾を飲み込んで友梨奈へ視線を向けた。

友梨奈は楽しげに歌うように立ち上がり、早希と絵里香に近づいた。
そして品定めをするようにふたりの周りを歩き始める。

「どちらにしようかな……」
ふたりを交互に指差しながらリズムを付けて歌う。

「決めた。あんたにする」
それに合わせて詩乃と直斗のふたりも「友梨奈さまの言う通り」と歌った。

その時の友梨奈の指先は絵里香に向けられていたのだった。
友梨奈が絵里香と向き合ってそう言った。

その瞬間絵里香の心臓は鷲掴みにされたような苦しさを感じた。
これから自分がどうなっていくのか少し想像しただけで呼吸が苦しくなる。