詩乃と直斗が面白くなさそうな顔でそれを見つめた。
「ひどい? 別に、ひどいことなんてしてないけど」

友梨奈が何事もなかったかのように答えた。

「今のは洗脳でしょう? このふたりにも同じようなことをして洗脳したんでしょう!?」

絵里香が叫ぶと直斗が木刀を地面に振り下ろした。
ガンッ!!

今までにないくらい大きな音が響いて早希が怯える。

「これは洗脳じゃない。俺たちは望んで友梨奈さまのそばにいるだけだ」

「それなら、そうしたい人だけがすればいい。早希に強要しないで!」

「友梨奈さまに助けてもらったくせに、よくそんなことが言えるね」

詩乃が絵里香を睨みつける。