早希は立て続けに叫んだ。
涙がボロボロとこぼれて止まらない。

恐怖で支配されたこの空間に早希の味方はどこにもいない。
「それにくらべてお前はどうだ? ただの虫けらだろ?」

直斗に言われて早希は小刻みに頷いた。
「私は……虫けらです」

強要されたわけじゃないのに、そう呟いていた。
自分で自分を小さく見せることで友梨奈が満足すると、わかっていたからだった。

「私は虫けらです! 私は虫けらです!」
早希が繰り返すと友梨奈が満足そうに笑った。

詩乃と直斗も嬉しそうだ。