友梨奈からできるだけ早く離れること。
そう言われてもそれは簡単なことではなかった。

早希は友梨奈に病気を治してもらっているから、それを体に戻さないことにはいつまでも付け狙われることになるだろう。

だけど花蓮と話した後の早希は決意を固めていた。
「私、友梨奈から病気を返してもらう。それで、友梨奈とは絶縁する」

友梨奈と離れることができた花蓮を見る限り、本来持っていた病気以外のものを移動させられたようには見えなかった。

だからきっと、早希も元の病気を戻されるだけですむはずだ。
「うん。それがいいかもしれないね」

絵里香は頷きながらも別のことを考えていた。
早希がずっと健康でいられる方法。

学校に来ることができる方法を……。