「病気は良くなったんだけどね、学校に行くと友梨奈がいるでしょう? だから行けない」
友梨奈に会うとまたなにかがあるかもしれない。

もしかしたら、病気が辛くて自分から友梨奈を頼ってしまうかもしれない。
だから行くことができないのだと、花蓮は言った。

「だけど勉強はしてるから、高校には行くつもり。どこか、遠くの高校だけどね」
「そうなんだ……」

絵里香がなにも言えずにいると、早希が身を乗り出した。
「友梨奈には感謝してる?」

その質問に花蓮はハッキリと左右に首を振った。

「一時は感謝してた。友梨奈は神様なんじゃないかとも思った。だけど違う。あいつは悪魔だよ。人の弱みにつけ込む悪魔。その悪魔に魅入られたのが詩乃と直斗だと思う」

とにかく友梨奈からはできるだけ早く離れたほうがいい。
そうしないと自分まで友梨奈に取り込まれてしまって、詩乃たちのようになる。

花蓮は最後にそう忠告したのだった。