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「ねぇお父さん、パソコンを使わせてくれない?」
夜ごはんが終わってから絵里香はさっそく父親にお願いした。

パソコンはリビングの端に置かれていて、週に何度かお父さんが使う以外はあまり使われていなくて、埃がかぶってきている。

「もちろんいいよ。なにに使うんだ?」
「が、学校の歴史を調べてみることになって」

咄嗟に嘘をついた。

隠すようなことじゃないけれど、噂が本当かどうか調べるといってパソコンを使わせてもらえると思えなかったからだ。

「そうか。それなら今から1時間と決めて、集中して調べてごらん」
「うん。わかった」

あまりパソコンを使いすぎないようにするためだろう。
絵里香は素直に頷くと、すぐにパソコンデスクへ向かった。