気弱そうだけど笑ったら少年みたいで可愛らしい。
わかりやすい授業のため、生徒たちからも信頼を集め初めているころだ。

きっと、先生にとっても今が一番大切な時期。
そう思うと胸がチクリと痛む。

こんなことしたくない。
しちゃダメだと、心の中の自分がストップをかけてくる。

早希の手も微かに震えている。
「ここならきっと、見つけやすいから」

早希が手を伸ばしてロッカーの上に靴を置いた。
そこならたしかに見つけやすいだろう。