友梨奈は優しく微笑んで直斗との会話を楽しんでくれた。

だけどここで入院している子ではなさそうで、最初は誰かのお見舞いに来ているのだと思ったのだそうだ。

「でも違ったんだ。友梨奈さまは助けを必要としている人を探しに来てたんだ」
そこで目をつてもらえたのが自分だと、直斗は言った。

長年患ってきた病気が、友梨奈に手を握りしめられるだけでスッと溶けて消えていった。
病魔は友梨奈によって取り除かれたのだ。

「先生たちは本当にビックリしてたよ。俺の病気はそんなに簡単に治るものじゃないからね。何度も手術を繰り返して、やっと行きていくことができるような病気だった。それが、今はこんな風に自由に出歩けるようになったんだ」

まだ信じられない。
といった様子で大きく息を吸い込んで笑顔を見せる直斗。

「友梨奈さまはどうしてこのふたりを助けたんですか?」