体に入り込んでいた苦しみの病魔がスッと溶け出していくのを感じる。
手を通して、友梨奈が病魔を引きずり出してくれているのがわかった。

呼吸は安定し、冷や汗もひいていく。
絵里香は何度も大きく息を吸い込んだ。

助かった……。
それでも涙が溢れて止まらない。

「絵里香、大丈夫!?」
早希が声をかけてくれても、絵里香は返事ができなかったのだった。