「これが、早希の病気」
友梨奈が笑みを浮かべた顔で言った。

これが早希の病気。

こんなに苦しくて、怖くて、今にも死んでしまいそうな病気を、早希はずっとずっと持ってきたんだ。

「やめて! もうやめて!」
早希が絵里香の体を抱きしめて叫ぶ。

その目には涙が滲んでいる。
友梨奈は絵里香の前で背をかがめると、両手で絵里香の頬を包み込んだ。

「この病気を、私が取り除いた。わかる?」
絵里香は何度もうなづいた。

早く楽にして欲しい。
このままでは本当に死んでしまう!

「私には力がある。だけど、あんたたちにはなにもない」