友梨奈の視線がようやく絵里香へ向いた。
絵里香は毅然とした態度を示す。

「だけどねぇ、その友達が少しやっかいだよね」
友梨奈が立ち上がったので、絵里香は警戒して早希の前に出た。

これ以上早希に恐怖心を与えないように、友梨奈を睨みつける。
「今日はその友達が一緒でよかった。わからせてあげなきゃいけないと思ってたから」

その言葉に絵里香がハッと息を飲んで横へよけようとした。
けれどそこには直斗が立ちはだかった。

逆側には詩乃がいる。
行き場を失った絵里香の手を、友梨奈が優しく握りしめた。

「やめて!!」
咄嗟に振り払おうとしたけれど遅かった。

友梨奈の手を通してなにかとてつもなく悪いものが体内へ流れ込んでくる感覚があった。