絵里香が３人掛けソファの中央に座っている友梨奈へ向けて嫌味を投げかける。
けれど友梨奈は表情を崩さず、ジッと早希を見つめている。

「やっと来たんだ？　私随分前に連絡したと思うけど？」
足を組んで威嚇するように言う友梨奈に早希の顔がさっと青ざめる。

「ご、ごめなさい。準備にてこずって」
「私、言い訳していいなんて言った？」

そのひとことで早希はもうなにも言えなくなってしまった。
立ち尽くしたままジッとうつむく。

その両手の拳はきつく握りしめられているけれど、誰かに向けることはできない。

「早希には色々と期待してるんだよ？　これからもっともっといい仕事をしてくれるって思ってる」

「……はい」
「なにせ早希はひとりじゃないんだもん。友達がいれば心強いでしょ？」