《絵里香:よくなるの?》

《早希:薬をもらったよ。本当は入院してちゃんと治してほしいみたいだけど、そしたら学校にいけなくなるから》

その文章に絵里香の胸がチクリと痛む。

早希には早く良くなってほしいけれど、その間学校に早希がいないと思うと複雑な気持ちになる。

早希の体調がよくなって、ずっと学校に来ることができればそれが1番いいのに。
そう思うけれど、その気持は誰にも伝えられなかった。

早希自身が、一番願っていることだろうから。
《早希:そういえば今日の噂を覚えてる?》

《絵里香:覚えてるよ。屋上にいる女子生徒の話でしょう?》
どんな病気でも治してくれるという女子生徒の噂話だ。