「女の子1人だと不安かなって思っただけで、女子寮を手配していなかったのはこちらのミスだし早めにどうにかした方がいいと思ってたからねぇ」

それは、そうなんだけど…
これはこれでいいのかっていう…

結構ぐいぐいな感じで管理室をたずねちゃったから今小窓の前で立ち尽くしてる。

「あくまで臨時寮は臨時で入る寮だけど出て行かなきゃいけないってルールもないしね、佐々木くんだって部屋空いたのにここに残ってるでしょ」

あ、確かに…斗空もシャワーが壊れたから臨時寮(ここ)へ来たけど部屋が空いてもにいるよね。

「そーいえばそうやな」

「……。」

「斗空くんそれ忘れてたん!?」

あれ?じゃあ私は何を悩んでいたの?

こんなにワーワー騒いじゃって…

「泣くほど嫌ならここにいていいよ、好きなだけね」

でんちゃんがメガネをかけ直した。

「い…いいんですか?」

「いいよ、その代わりもう二度と屋上で花火は禁止だからね!」

ピシッと指を立てて、反対の手でカチャッとメガネを上げた。

屋上で花火はもう絶対しない、だから…


いいんだ、私ここにいても…

いいんだ。


「あゆむーん、やったね!」

「さっちゃんっ」

「よかったなぁ歩夢ちゃん!」

「智成くん!」

背中を押してくれた手が温かかった。


それが何よりも心強くて、大丈夫だって思えたの。


少し顔を上げて見れば斗空が微笑んでて、私も笑って返した。



不安なんて全然ないよ。

3人がいてくれるなら。



だからこれからもー…