「あゆむん行かないでいいよ~!ずっとここにいてよ、一緒にいよーよ~~~!」

「せやで、おったらええねん!いくら女子寮に行かなあかんって言うても関係ないおったらええ!」

同じようにポロポロ涙を流していたさっちゃんがぎゅっと抱きしめてくれる、泣きそうになりながらも必死に涙を堪えた智成くんもそばに来て慰めてくれた。

そんなことをされたら私はまた泣いちゃう、出て行きたくなっちゃうよ。


だってこれが私の本当の気持ちだもん。



ねぇ…斗空は?

斗空はどう思ってる…?



静かに息を吸って、涙を拭って顔を上げた。


もうぐちゃぐちゃの顔でどうしようもなくてひどい顔してたけど…



前を向いたら斗空と目が合ったの。


笑ってた。

優しく微笑むように、私に笑いかけてた。



そんな顔…っ 


また泣きたくなっちゃう…!


「よし、行くか」

ずっと座っていた斗空が立ちあがった。

「え、とあぴどこ行くの??」

「今いいとこやぞ、斗空くん空気読んで!」

「だから行くんだろ」

フッと笑って食堂のドアの方へ足を向けた。頭にクエスチョンマークの浮かんでる私たちに呼びかけるように。

「伝蔵さんとこ、みんなで行けば怖くないだろ?」