「……ふぅ」

学校から帰って来てそのままに、部屋に入ったらベッドに直行でバタンッと手を広げて倒れ込んだ。早く着替えて屋上に行かなきゃいけないのになんか体が動かない。

斗空たちが帰って来る前にでんちゃんに屋上の鍵をもらいに行かないと…

「転寮どうしようかなぁ…」

くるっと寝返りを打って仰向けになる。
もうすっかり慣れてしまった天井をぼぉーっと見て、物思いにふけちゃったりして。


…この部屋とも、お別れなのかな。


最初は臨時寮(ここ)しかないって言われた時は絶望だったんだけど、住んじゃったら何もかも慣れなのか居心地いいんだよね。


それに… 


ゆっくりまぶたを下ろした。

あーぁ、このまま眠りたいな。もう考えたくない。

「……。」

“女子寮に空きが出たから夏休みには転寮出来るよ”



…ん?


てゆーか私が決めていいことなの!?

目を開けてがばっと起き上がった。

臨時寮っていうぐらいなんだ、一時的な仮住まいってことだよね!?

女子は女子寮ってあたりまえのことだし、私だってそのつもりで来たんだ今更迷うことなんてないんじゃないの…


困ったことに空いてなかったから臨時寮(ここ)にいるだけで、もう臨時寮(ここ)にいる必要がないんだ…


“隣の隣のクラスの子が転校するから1部屋空くんだよ、知ってた?”

私はここにいない方がいいのかもしれない、いるとろこじゃない…