今日の夕飯なにかな~♬

さっちゃんと一緒に夕食を食べる約束をして、せっかくだから寮から学校までの道のりも一緒に行こうと思って階段の下で待っていた。

よかったなぁ、今日からさっちゃんと一緒に食べれる。

…斗空も一緒に食べるのかな?どうなんだろ。

「あゆむん!」

「あ、さっちゃん!」

タタタッとリズミカルな足取りで階段を下りて来た。

「えっ!?」

真っ黒なふわふわの猫毛は耳や顔周りを少し隠して、それでもお顔の美しさはハッキリわかる美少年…

「あゆむんお待たせ♡」

「ええぇぇっ!!?」

「さぁ行こっか!」

「待って待って、さっちゃんっ!?どーしたの!?」

初めてこの寮へ来た日以来見る男の子の姿だった。しかも制服もスカートじゃない、ズボンを履いて。

「お腹空いたね」

私の呼びかけににこっとだけ笑って返した…

え、なにそれ?
何の答えにもなってないんだけど?

「……。」


えぇぇぇぇぇぇーーーーっ!!?


男の子の姿で隣を歩くさっちゃんは眩しい。

女の子の時も可愛いいんだけど、男の子になっても可愛さは健在で中世的なお顔はさらに美しさを放つ…


「え、誰あれ!?」

「めっちゃ美少年じゃん!」

「あんな人うちの学校いたっけ!?」


食堂は注目の的だった。明らかにざわめく黄色い声がさっちゃんに集中している。

その後ろで私のがいたたまれないんだけど。

「あれ?壮太郎どないしたん?」

それに普通に智成くんが話しかけていた。

「どないしたん?ってこれがボクだからね」

さっちゃんがにこって笑えば食堂にキャーという歓声が溢れる。

え…、どーゆうこと??どーゆう状況なの…?

「あゆむん、どこ座る?空いてるとこー…」

「ここ空いてます!!」

キョロキョロするさっちゃんにスッと近くに座っていた女の子が手を挙げた。

あなたは誰?たぶん知らない子…

「ありがとう」

さっちゃんが微笑み返すと頬を赤らめて嬉しそうに…

え、本当にどーゆうこと!?

みんな態度全然違うくない!?

だっていつもさっちゃんが1人食堂から抜けていく姿を誰も気にせず放っておいたんでしょ!?


なのに…っ