「とあぴも一緒に食べるの?」

トイレでは一緒に食べられないから、右奥の方にある階段で。ここなら食堂から誰か出て来ても見付からないかなって。

「あぁ、咲月が1人でどこで食べるのも勝手だけど俺が誰と食べようと俺の勝手だから」

律儀に手を合わせてミートソーススパゲティを食べ始める。

本当のことしか言わないけど、なんてゆーか…

「回りくどいよね」

「はぁ!?」

「素直にさっちゃんと食べたいって言えばいいのに」

「だから勝手だって言ってるだろ!」

それも全部優しさってことはわかってるけどね。

私も好きだもん、斗空のこともさっちゃんのことも。

あとついでに智成くんも?


なんてね。


さっちゃんも笑ってるもん。

いつものさっちゃんで笑ってる、私の隣で。
やっぱご飯は一緒に食べた方がおいしいよね。

「…あゆむん、とあぴもありがとう」

「ううん!私がさっちゃんと食べたかっただけだから、斗空は勝手にそこにいるだけらしいけど」

「勝手に乱用するなよっ」

これでよかったんだって思ってた。

これが私のできることなんだって、でもそんなこと思う時点でおこがましかったのかもしれないね。

「最初からこうすればよかったんだって思った」

「うん、そうだよこれからも一緒に食べようよ」

さっちゃんをもっと傷付けることになるなんて思ってなかった。