部屋の中はベッドと机、エアコンは付いてるけどテレビはなくて。
シャワーにトイレ、洗面台はあるけど冷蔵庫はなかった。冷蔵庫は食堂のやつをってことなのかな。

「あ、よかった!荷物ちゃんと置いてある!」

段ボールが3つ重なって置いてあった。
電気も暗くないし見た目の建物よりは全然いい、床も壁もリフォームされてるみたいで思ってたよりは…

背負っていたリュックを下ろす。

その瞬間、肩の荷も降りたみたいで自然とタメ息が出てしまった。


ここが、私の部屋か。

ここで暮らすんだ、これから。


ここで1人…


「寂しいなぁ」


ハッとつい下を向いていた顔を上げた。

「ううん!1人部屋もらえるんだからラッキーだよ!全然大丈夫、全然…!」

同居人に気遣わなくていいし、自由気ままだし、1人でもね!

お母さんとお父さんがいなくても…

「な、なんか飲みもの買いに行こ!」

リュックから財布を取り出して部屋を出た。

全然大丈夫!
大丈夫だから、暗くなっちゃいけない!

顔を上げなきゃ…っ!