今までならこんなこと意識してなかった。


だって私…っ 

私の格好どうなの!?


Tシャツ短パン…!


「………。」

って、もう見られてたよね。
初日から見られてたよね。

そんなの気にする余裕さえもなかったあの日ね…

「……。」

うん、改めて気にしなくてもいいかもしれない。だって何とも思われてなさそうなんだもん。

チラッと斗空を見れば、わさわさと髪の毛を拭いて全然気にする素振り見せてない。

しかも斗空もTシャツ短パンだし。それはそれでちょっと、まぁあれだけど…

「歩夢これスペル違う」

はぁ、なんてタメ息をつこうかと思ったら突然斗空が隣に並んだ。ビクッて声が出そうになるくらい震えた。

「書き込んだスペル間違えてたら全部間違えるだろ」

ピタッとくっついて熱い、てゆーかお風呂上がりの斗空が熱い…!

「これってeじゃない?歩夢aって…」

さらに覗き込むように、開いた教科書にぐーっと顔を寄せれば寄せるほど私の体と斗空の体が…っ

「あ、やっぱaだ。これeだから」

目を細めて眉まで寄せちゃって食い入るように教科書を見てる。

「斗空って…もしかして目悪い?」

「あぁ、うん悪い」

呼びかけちゃったから教科書を見ていた斗空がこっちを向いた。


ドキッ 

て、音が鳴る。


交わした視線に胸が高鳴る。


ドキドキ、心臓の音が…

息が止まりそう…!


何センチ?
この距離って…


「あ、眼鏡忘れたわ」


あぁーーーーーーー…っ

斗空は本当に全然なんとも思ってないっぽいけどね!!!

「全く見えないわけじゃないから風呂上がりは忘れがちなんだよな~、普段はコンタクトだし」

やめてほしい、ガッチリしっかり付けててほしい。

じゃなと私の心臓が持たないよ…!

斗空の熱が伝わって暑くてしょーがないんだもん!