「さっちゃん、一緒にご飯食べよう!」

お昼ご飯から夕ご飯までの間考えてみた。毎日毎食学食なんだもん、1日3回嫌でもこの時間が来てしまう。

それに寮生活だし、ずっと学校だし、1人はやっぱつらいよ。

だからせめてこの時間は1人じゃない、私といてほしいって。

「あゆむん…」

「あっち空いてるよ、行こうよ!」

給食を乗せたおぼんを持って抜け出そうとしていたさっちゃんの前に行かせないように立った。

「ボクに話しかけないでって」

「私ぼっちなの!編入デビュー失敗してクラスで浮いてて1人だから誰も一緒にご飯食べてくれる人いなくて…それでっ」

話しかけないでって言ったけど、本当にそうなのかな?

寮で話してくれるさっちゃんはいつでも明るくて楽しそうに笑ってて、私にうさぎのシフォンを貸してくれて、隣のクラスなのに一緒にプール掃除までしてくれて…


本当は誰かといるの好きなんじゃないの?


「1人で食べたくないからさっちゃん一緒に食べてほしい!」

斗空にさっちゃんと食べるって言ったら、いいんじゃないって言われた。

それはいいってことだよね?
賛成って意味のいいんじゃないだよね?

もはや勝手にそうゆうことにしてさっちゃんの前に立ったんだ。

「…ダメかな?」

それでも断られたらどうしよって思ってたけど、それこそ本当に私もぼっち飯になってしまう。

「あゆむんがいいなら…」

「さっちゃん…!」

少し下を向いて力のない声だったけど、うんって頷いてくれた。気が変わらないうちにってすぐに空いている席の方へ向かった。

「さっちゃん、あっちだよ!行こ!!」